プロペシアは飲む育毛剤として、AGAの治療には必ずといってよいほど用いられています。この薬にはフィステナリドという男性ホルモンのバランスを整える作用のある成分が入っており、これを継続的に摂取することで、抜け毛の原因となる男性ホルモンの過剰な分泌を抑えることができます。毎日1錠を継続的に摂取する必要がありますが、そのほかは普段通りの生活を続けることができますので、比較的継続しやすい治療法といえます。クリニックでは、この内服薬に加えて育毛剤の外用薬を処方するなどの治療を行っています。
プロペシアの主成分であるフィナステリドを用いた414名の「日本人」男性を対象とし、観察期間48週間の試験において、頭頂部においての写真撮影の効果判定では、58%の軽度改善以上の効果があり、引き続き2年、3年間の内服継続で、軽度改善以上の効果は、2年で68%、3年で78%と継続年数が長くなるほど、改善効果は高くなったと示されており、現代医療において最も基本的なAGA治療薬といえるでしょう。
プロペシア(フィナステリド)の効果や副作用について
この薬による治療のメリットは、副作用がほとんどなく安全性が高いことと、抜け毛の改善効果が非常に高いということです。この薬を続けて飲んだ人のうち、9割以上が抜け毛が減少した、髪の毛が増えてきたなどの何らかの発毛効果を実感しており、続けるほどその効果が顕著になっているといわれてます。AGAの原因に直接作用する仕組みですので、この薬を続けている間はかなりの確率で、抜け毛を防止することができます。一か月ごとの処方となっていることが多いため、通院回数も減らせます。
一方、デメリットもないわけではありません。この薬は一か月分でおよそ1万円近くかかりますので、継続的に飲み続けるとなるとかなり値段が高くなります。海外からジェネリック製品を個人輸入して費用を抑えているという人もいますが、利用者の口コミを見ると、日本では認可されていないものを配合している場合があったり、衛生面での管理がずさんであるなどの注意点も記載されてますので、信頼できるメーカーから購入しなければなりません。また、女性はホルモンバランスの乱れによって生理や妊娠に悪影響を及ぼす可能性がありますので、クリニックで処方してもらうことはありません。さらに、副作用もないわけではなく、人によっては性欲減退などの症状がみられることもあります。ただし、服用を中止すればすぐに改善します。
このように、プロペシアは非常に優れた育毛剤ではありますが、利用するときにはどのようなメリットとデメリットがあるのかということを知っておいてから続けるようにしましょう。また、予算もあらかじめ決めておき、無理のない治療を続けるようにする必要があります。長期的な治療にはなりますが、自分の髪の毛が増えてくるという効果は非常に魅力的ですので、上手に付き合っていく工夫をしてみるとよいでしょう。